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2008年6月 9日 (月)

ほめること

 カウンセリングをするときに、クライエントさんを「ほめる」ことが役立つことがあります。SFBT(ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピー)では「コンプリメント」と呼ばれ、面接における重要な技法の一つと位置づけられています。ほめることでクライエントさんの動機づけを引き出し、自分自身や自分が置かれている状況に対する肯定的な見方を促進していくことが出来るという考え方ですね。
 行動療法ではいわゆる「社会的強化子」としての機能を持つことから、問題行動の修正や意欲の向上などの行動形成に頻繁に用いられます。教育の現場では、「ほめ7分に、しかり3分」というような表現で(正確ではないかもしれませんが)、子どもをほめることの重要性を説きます。もはや常識ですネ。
 確かに、その通りだと思いますが、以前から考えていたことではありますが、どうも、ほめるということが少し飽和状態なのではないかということを最近考えます。いや、もちろんほめることが悪いという意味では全くなく、当然必要かつ効果的な言葉掛けであるとは思います。ただ、その「ほめる」ことを安易に頻発しすぎてしまうことには少し疑問を感じます。

 (以下、子どもとのかかわりに限定しますが、)
 何というのでしょう、「ほめる」のが子どもにはよいから、とにかく何でもイイから「ほめておけ」というふうに「ほめ言葉」を安売りしすぎる傾向があるような気がしています。まあ、ガミガミネチネチと「叱る」「叱責する」「脅す」ことを安売りするよりははるかによいわけですが。

 スクールカウンセラーとしての保護者・教員向けの講演会では折りに触れてこのことを少し話したこともあります。ほめることは大事だけども、やたら滅多ほめるのではなく、「どのタイミングで」、「どんな言葉で」、「どのように」、「何に対して」ほめるのか、ということを明確にしておいて、状況を考えてほめることが、ほめることが常識になった教育上の次の課題の一つであるように思います。というのは、「ほめる」というのは、大人の側がほめたと自己満足していても仕方がないわけで、子どもの側が、「ほめられた」と感じると同時にそれにともなう「喜び」や「嬉しさ」を得なければ意味がないわけです。

 つまり、単に「ほめる」というのを教育もしくはしつけの上でのお気軽なツールとして使うのもいいですが、より効果を出そうと思えば、その子にあったほめ方を工夫してケース・バイ・ケースでほめ方を変えていくということが大切になってくるだろうということですね。そのためには、その子を当然ですが、よく見て、気にかけて、観察しなければなりません。当然、批判しないで受容的な態度で、良いところを見つけるように・・・ですね。

 子どもも幼いながらも頭の中では色々なことを考えていますから、少なくとも小学校高学年以上にもなれば、ほめて欲しい状況、いちいちほめられるようなことでもない状況というのを区別していると思われます。効果的なほめ方とは、何のためにほめるのかということを親の側が理解した上で、その子にとって、ほめて欲しいことはどんなことなのか、それをまず知り、タイミングを逃さずに適切にほめることでしょうか。(ウソにならないように)

 「ほめる」ことと「ほうび(ほめ言葉)で釣る」ということは、外見上は似ていても、おそらく大人の側の子どもに対する見方が反映されていると思います。似て非なるものだということをあらためて認識しつつ子どもとかかわりたいものです。

 

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